ストレスを跳ね返す力:その2(目の前にある出来事を前向きに捉える)

ストレスを跳ね返す力」を強くする第二弾です。
今回も米国精神医学会による、
The Road to Resilience(レジリエンスへの道)から、
10 ways to build resilience(レジリエンスを構築する10の方法)」を参照にみていきます。

「Avoid seeing crises as insurmountable problems.」
危機な状況下に置かれた場合でも、それを耐え難い問題として見ないようにする

同HPによれば、下記のとおり記載があります。

厳しいストレスを受けような出来事の発生を防ぐことはできないが、その出来事への解釈と対応方法は変えることができる。
その後の境遇を少しでも良くするための視点を持つようにしましょう。

簡単に言えば「前向きな気持ちで」ということになりましょうか。
私の講座でも、「自信を持つ」「ポジティブに!」等多く紹介させていただいております。
今回は、ストレスが発生した場合にどのようにその出来事を捉えるとレジリエンスが強くなるのか、について考えてみたいと思います。


発想の転換を!

私の講座にお越しいただいている方々からいろいろなお話を聞きます。
皆様それぞれの生活で感じられた気持ちやその際の行動についてお話されるのですが、
最初は不満や不安等、少しネガティブな捉え方をする傾向を持つ方がいらっしゃっることもあります。
何回か講座を受けていただく中で、だんだんとポジティブ思考に変わっていくのが明らかにわかっていきます。
詳細はお話することはできませんが、一例としてここで挙げてみたいと思います。

職場で、あるプロジェクトの責任者に抜擢されたAさん
自分にはその仕事についての知識がないし、皆をまとめる力もないし・・今は不安ばかり
と最初はネガティブな感情をお話されていました。

講座では、直接その出来事に対する助言をすることはないのですが、
ある日、Aさんが「先日のプロジェクト責任者、やってみることにしました!」
と明るい表情で話しかけてくれました。
「前向きに捉えてみたんです」とのこと。
自分にとって新たな知識を勉強できる機会だと捉えました!
リーダーとして一人頑張らなくてはいけない思ってましたが、メンバーもすごく協力的ですし、これも自分の人生にとっては大事な経験!
と私の講座でも目標としている
自分に自信をつけて、前向きな視点を持つ
ことを叶えていただいてるんだとその時私自身が感じることができて、本当にうれしい気持ちになりました。

人はこれまでの環境が変化することについて、不安な感情を少なからず持つようになります。
中にはその環境の変化がストレスになる場合もあります。
その場合でも、「まあ、なんとかやってみよう」ということで、そのまま現状を受け入れていると思います。
この「まあ、やってみよう」がその方が元々お持ちのレジリエンスです。
上述したお話は、そのレジリエンスを高め、より前向きに環境の変化を捉えることができた事例となります。


ポジティブへの道に立ちはだかる壁

せっかく元々お持ちのレジリエンスを高めるチャンスについて、それを自ら止めてしまう方もいらっしゃいます。
例えばですが、環境の変化が発生したときに、

(否定的に)
もし・・だったらどうしよう
なぜ私なの?

と考えてしまうことはないでしょうか?
仕事でも同じチームメンバーからこういった意見や不安な言葉を聞く機会が多くあるでしょう。
こういった言葉に対して、明らかな理由があり、予想できる内容であれば簡単に対応できますが、
仮にその質問が手に負うことが不可能で、最悪のシナリオであった内容の時はストレスしか生み出しません。

もう一度、「10 ways to build resilience(レジリエンスを構築する10の方法)」にある内容を確認しましょう。

厳しいストレスを受けような出来事の発生を防ぐことはできないが、その出来事への解釈と対応方法は変えることができる。
その後の境遇を少しでも良くするための視点を持つようにしましょう。

「もし・・だったら」という質問の意図が前向きなものであれば、未来への解決策を見出そうと努力することになります。
一方、最初から解決策がなく最悪なシナリオを想定することで、本人も含めメンバー全員がパニックを起こすでしょう。
それぞれの心に強いストレスを閉じ込める結果になります。

その言葉を言い出したメンバーの指摘は、チーム全体が取り掛かるプロジェクトの取り組みを100%としたら、
ほんの1%の問題だけピックアップしたに過ぎないかもしれません。
その方は、環境の変化自体を捉えるのではなく、そこには既に、それが些細なことでも問題があるという、
ネガティブな捉え方に慣れてしまっているのかもしれません。


少しの積極性を持とう!

ストレスもそうですが、厳しい環境や人とのコミュニケーションの失敗等、心の傷が発生した時の対応に
ポジティブな方とネガティブな方とでも違いがあります。

ネガティブな方に共通することは、ストレスを受けた出来事を、
受け身」として、本人が捉えていることです。

なぜ私なの?はその典型で、人は傷ついたその出来事を自らによって引き起こしたのではなく、
自分にふりかかったもの」として捉えます。
その方は環境の変化を求めるより、これまでの安定性を大事にする傾向があります。
上に挙げた例ですと、ネガティブな方の場合、そのプロジェクトが良い結果とならないことを前提として、
「自分には何の責任もない」「このチームではうまくいくはずがなかった」とばかり言うでしょう。
しかし、その方は、自分の人生でさえ「私は責任がない」と考えるのでしょうか。
答えはNoですね、当然です。
どんな方にも幸せを求めていて、希望を持っています。
その希望に近づくために日々努力しています。
まさにレジリエンス(ストレスを跳ね返す能力)は誰しも持っているのです。

では、その能力を高めるには、このネガティブ傾向が強い方はどうしたらいいでしょうか。
やはり、どんな問題にも自ら積極的な姿勢で取り組み、ネガティブな発想は持たないようにすればということになります。

しかし、そんなに突然に人は変われませんよね。
なので、「ほんの少しの積極性」を持っていただくことから始めてはいかがでしょう。
言葉の使い方の変化、コミュニケーションの仕方、
些細な事柄からで十分なので、是非試していただけたらと思っています。
それを続けていけば、いつの間にやら、チームを積極的に引っ張っている姿が将来描けるようになっているでしょう。

そのポジティブな感情が自分に自信を持ち、ストレスな出来事にも対応できる力を強くするはずです。

今回は、ストレスを跳ね返す力を強くする要素「ポジティブな捉え方」について紹介いたしました。
これからもいろいろと考えていこうと思っています!

 

 

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