私たちはコミュニケーションの中で生活しています。
学校や会社等、様々な社会環境の中で生きています。
その環境の中で人間関係で悩むことが多いです、というよりほとんどの悩みは人間関係ではないでしょうか?
「どうしてもあの人とは仕事を一緒にしてもうまくいかない」
「あの人と一緒にいるとなぜかイライラする」
なんて感じる経験、多いですよね。
一緒にいるだけで不快な気持ちになってしまう相手、誰しも心当たりあるのではないでしょうか。
実はこういう相手にこそ、あなた自身を見つめ直す大事なメッセージがあるかもしれません。
今回は、
苦手意識がある相手が持つ、あなた自身へのメッセージとは?
そのお相手とのコミュニケーション
について、簡単にご紹介いたします。
ユング心理学による「投影 (Psychological projection)」
ユング心理学、お聞きになったことございますでしょうか。
スイスの精神科医で心理学者でもあるユング博士(Carl Gustav Jung、1875年7月26日 – 1961年6月6日)による「分析心理学 (1925)」を指し、その内容は、「人間の無意識」を探求する深層心理学および心理療法理論で構成されています。
その理論のひとつに「影(シャドウ)」という概念があります。
それは、
「心の暗い部分」
「自分自身について認めたくない否定的な部分」
「その人が歩めることができなかった人生の側面」
を指します。
ところが、その部分、否定的であったり認めたくない気持ち「影」は、それが強いほど人への影響力が強くなり、それが原因で強いストレスになってしまう可能性もあるといわれています。
この「影」ですが、自分自身の「影」はどうやってわかるのでしょうか?
実はこの「影」、ほとんどの人が自分自身の中でも意識していないようです。
ご自身の「影」ってなんだと思いますか?
自分自身の「影」を認識するにあてっての方法論が、今回のテーマである、
ユング心理学による「投影 (Psychological projection)」です。
簡単にいえば、
「他人」という鏡(シャドウ)を見た時に、はじめて自分自身の「影」の部分が見えてくる
といいます。
もう少し詳しく見ていきましょう。
苦手な相手が持つ、あなた自身へのメッセージ
なぜ、他人をみたら自分自身のことがわかるの?
と思われる方が多いと思います。
例を挙げてみましょう。
会社内でチームを組んであるプロジェクトを進めることになったとします。
ある日、Aさんが「B君って結局自分では何もせずに他のメンバーに仕事を頼んでばかりだわ!」と愚痴を言い出しました。
周りのメンバーからみれば、さほどB君が人に頼っている様にもみえない、また、
Aさんはその後もそのことばかり口にしている。。。。
実はAさんは、普段、人に甘えたい・頼りたいという気持ちを抱えていることを、
B君を「影」として捉えて、どうしようもなく気に障ってしまうのです。
もうひとつ例を挙げてみます。
部下からの説明を受けるB部長、説明中にも関わらず、「で、これはどういうデータなの?」とか、
「で、最終的な結論は?」とか、説明者に投げかけてきます。
部下は、「うーーん、B部長って苦手だな」と感じるでしょう。
これも、部下はB部長を「影」として捉え、本当は自分も「前置きどうでもいいから、結論を早く知りたい」という観念を普段持っていることが自覚できます。
このような例、「これって、人の振り見て我が振り直せ 、てこと?」と思われるかもしれません。
そうではなくて、ここでは、そういういった苦手な相手が放つメッセージによって自覚した、
自分の「影」を認める事で、投影していた相手に嫌な気持ちを少しでも減少させる方法として紹介したものです。
この「投影」方法を用いて、苦手な相手と対面した時を「自分自身とは?」を再認識するチャンスと捉え、
その相手となる人は、実は自分の深層にあるものを映し出してくれる鏡なんだ、という視点で対応すれば、
その相手に対しても自分とつながりが深いようにも思えたりして、
「こういう人の側面もありだな」
と考え、これまでとは違う接し方が始まるのではないでしょうか。
人間関係で悩んだら
Everything that irritates us about others can lead us to a better understanding of ourselves.
「他人へのイライラ感のすべては、我々自身のよりよい理解につながり得る」
-Carl Jung-
あなたの苦手な相手は必ず、あなたへのすばらしいメッセージを持っています。
それがすぐわかる場合あると、少し時間がかかる場合もあって、なかなか簡単には実感することができないかもしれませんが、是非トライしてみてください。
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